平成30年税制改正解説◆土地を相続する方へ埼玉の相続専門家がご案内
皆さんは、相続税において「家なき子」が優遇されるのをご存じですか?平成30年度1月に改正された税制では、「家なき子」や土地を相続する方の税額が軽減できる制度が見直しされました。そんな小規模宅地等の特例の見直しについて今回お伝えします。
小規模宅地等の特例の見直しとは?
小規模宅地等の特例とは、相続財産として一定の条件を満たす宅地を相続した場合に評価額を軽減させることができる制度のことです。
家なき子とは・・・ 自己所有の持ち家に住んでいない相続人のこと |
宅地とは・・・ 簡単にいうと、建物が建っている土地のこと。今回は、被相続人や家族の生活の基盤になっている(居住用)または事業用となっている宅地を指します。 |
今回の改正では、従来からある小規模宅地等の特例について一部見直しや追加がされました。最大8割の税額を軽減させることができるので条件を満たす人にとっては、かなりお得になるかもしれない制度です。
改正によって何が変わったの?
一覧にまとめましたのでご参照ください。
内容 | 改正前 | 改正後(2018年1月1日から) |
---|---|---|
家なき子に係る特定居住用宅地等の対象条件 |
③ 相続開始前3年以内に、土地を承継する者または配偶者が所有する国内の土地に居住したことがない
|
④相続開始時において居住用の家を過去に所有していたことがない |
貸付事業用宅地等の範囲 |
相続開始前において、被相続人等の貸付事業用に供されていた宅地等が適用 |
相続開始前3年以内に貸付事業用に供されていた宅地等は除外 (それ以前から貸付されていた土地は従来の扱いのまま。また平成30年4月1日以前に貸付されていた土地に関しても従来の扱いのまま) |
居住用宅地の特例 |
老人ホーム等に入所したことにより、被相続人の居住用宅地等でなくなった土地に関しては特例の対象外 | 老人ホーム等に入所したことにより、被相続人の居住用宅地等でなくなった土地に関しても特例の対象 |
相続税の申告期限とは・・・ 被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内 |
特定居住用宅地等とは・・・ 小規模宅地の特例が認められる被相続人の居住していた家屋がある土地のこと |
貸付事業用宅地等とは・・・ 被相続人による貸付事業(不動産貸付等)に供されていた土地のこと |
特例を受けるにあたって注意するポイントは?
この改正は、2018年4月1日以降に相続または贈与によって取得した財産が対象になります。また貸付事業用宅地等については、平成30年4月1日以降に貸付される土地に係る相続税について適用となります。
まとめ
平成30年度の税制改正により小規模宅地等の特例において見直しがされた!
① 小規模宅地等の特例とは、相続財産として一定の条件を満たす宅地を相続した場合に評価額を軽減させることができる制度のこと。
② 相続税において家なき子の優遇が大きかったため優遇をうけようと工作する相続人が増えたこともあり不正を防ぐために条件の制限をした。
③ 被相続人が亡くなる直前に、小規模宅地の特例を受けるために慌てて貸付業務を始めるという不正を防ぐために条件の制限をした。
④ 老人ホームに入所したことにより、被相続人の居住用住宅地等でなくなった土地も、小規模宅地等の特例を受けられるようになった。
これら①②③は、節税のため不正が起きることを防ぐために制限を設けられました。④だけが特例適応範囲の拡大につながる改正です。
対象の財産は?
2018年4月1日以降に相続または贈与によって取得した財産が対象になります。また貸付事業用宅地等については、平成30年4月1日以降に貸付される土地に係る相続税について適用されます。
最大税額8割も軽減出来る小規模宅地等の特例は、皆さんにとってとてもおいしい制度であると思います。今回の税制改正によって適用範囲の制限はされてしまったものの、そこのあなたも条件に該当するするかもしれません。
少しでも疑問に思ったらご相談をおすすめします
今回2回にわたり、平成30年度税制改正大綱について一部を紹介させていただきました。まだいくつか改正点はあるのですが、専門要素が強いので紹介は省略させていただきます。気になる方はお気軽にお問合せください!
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