相続における遺言書の必要性と記載できること

さいたま市浦和・大宮を中心に相続税のご相談を承っています。埼玉あんしん相続相談室です。

先日、ご相談に見えた相談者様は遺言書をお持ちになって相談にいらっしゃいました。まず、この遺言書が正当なものであるのかどうか気にしており、なおかつ内容に不公平さを感じていたため、専門家に見てほしいということでした。

昨今、さまざまなところで「終活」というキーワードを目にする中、遺言書の必要性を考える方も多いと思います。

まず、遺言書にはどういったものが記載できるのかご案内します。

遺言書作成、なぜ作成が必要?

遺言書は自分の死後に遺族へ自分の意思を伝え、実行してもらうための書面になります。例えば、自分の財産をどのようにしてほしいか伝えます。そして、その意思を書面に残すことで相続トラブルを予防することもできると判断できます。

起こり得るトラブルが想定できずとも、相続人同士でトラブルを未然に防ぐためにも、遺言書を作成する意味はあると考えます。

 

遺言書に記載できること

遺言書に書いてはいけないことはありません。ただし、相続が発生した際、遺言書に書いた内容に法的効力がないと、遺言書の内容が実現しないかもしれません。

では、法的に意味がある遺言書への主な記載内容について説明します。

相続分の指定

相続人には民法で相続の割合が定められています。「法定相続分」と言います。例えばお子さんが3人いるなら3分の1が各人の法定相続分になります。

しかし、遺言書では相続分の指定ができるので、「長男は2分の1、残りの二人は4分の1づつ」と法定相続分とは異なる割合で指定することができます

相続財産を相続人ごとに指定

例えば財産に不動産、預貯金、株などを所有していた場合「誰に」「どれを」相続させるか遺言書で指定することができます。

「不動産は長男、預貯金〇〇円は次男、会社の株式は長女に相続させる」と財産を指定し、承継させることができます。

相続人以外の人へわける

相続人でない方へ自分の財産を相続してほしいと思っている場合は、遺言書に書くことで財産分与をすることができます。

遺言執行者の指定

遺言執行者とは、遺言の内容を実現させるために相続手続きを遂行する権利を持っている人のことを言います。遺言執行人がいることで滞りなく相続手続きを進めることができますが、遺言書で指定がなければ遺言執行者専任の手続きが必要になりますので、遺言書には遺言執行者を指定しておくと良いでしょう

その他

・法人や団体などへの寄附
・遺留分減殺方法の指定
・子供の認知
・相続人の廃除、廃除の取り消し
・生命保険の受取人変更
などについても、遺言書に残すことで法的な効果があります。

 

まとめ

遺言書があるかないかでトラブルが起きる・起きないは一概には言えません。しかし、ご自身の財産を死後、どのように相続してほしいかを遺族が知るには遺言書を残すしかありません。作成してもトラブルが発生するケースはありますし、生前にいざ書こうと思ったけれど書けなかった相談者の方も見てきました。

ただ後のこと考えるならば、遺言を残すことで多くのトラブルは避けることができると思っています。遺言書の作成、考えてみてはいかがでしょうか?

遺言書作成にあたり、不明なことやまず生前対策が必要な方は専門家にご相談ください。埼玉あんしん相続相談室ではパートナーの弁護士、司法書士のご紹介も可能です。

 

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