祖父母から孫へ→教育資金一括贈与の非課税制度活用

更新日:2023年10月10日

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祖父母にとってかわいいお孫さん。将来は勉学に励んでほしいと資金を孫のために準備されていたり、困ったときは差し出してあげられるよう貯えがある方もいらっしゃるでしょう。

でも、安易に渡すと贈与税がかかるのかしら?と心配になりますか?

今回は教育資金の一括贈与をした場合の非課税措置について解説をします。

 

教育資金の一括贈与非課税制度

祖父母などから受けた教育資金の一括贈与は贈与税が非課税になる制度があります。

まず、制度の内容を確認しましょう。

参考:国税庁「教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし」pdf

30歳未満の方が、直系尊属(祖父母など)から、教育資金に充てるために受けた贈与は金融機関等を通して教育資金非課税申告書を提出することで、1,500万円までが贈与税が非課税となります。

この特例は令和8年3月31日まで有効です。

 

教育資金とは

教育資金とは「学校等に対して直接支払われるもの」と「学校等以外の者に対して直接支払われるもの」があります。

 

学校等に対して支払われるもの

・入学金、授業料、入園料、保育料、入学試験の検定料など
・学用品の購入費、修学旅行費や学校給食費など

 

学校以外の者に対して支払われるもの

・教育(学習塾やそろばんなど)に関する費用や使用料など
・スポーツ(水泳、野球など)や文化芸術に関する活動(ピアノ、絵画など)の教養の向上活動のための費用
・留学のための渡航費など

費用の内容や取り扱いなど不明な場合は、文部科学省ホームページ「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」をご参照ください。

 

制度を適用するための注意点

制度の適用を受けるためには何点か注意すべき点があることも確認しましょう。

 

教育資金口座の開設

教育資金用の口座を開設する必要があり、その際に【教育資金非課税申告書】を口座を開設した金融機関へ提出をしなければなりません。

 

口座から払出時は領収書等が必要

口座から教育資金として支払いを行った場合は、その支払事実を証する書類(領収書等)を金融機関へ提出しなければなりません。

 

受贈者が30歳まで

受贈者(贈与を受けた方)が30歳までに使い切らないと、残った分については贈与税が課されます。

 

非課税の枠は総額1,500万円まで

両親それぞれの祖父母から贈与を受けた場合は、それぞれから1,500万円を受けてしまっては合計が3,000万円になります。
これは特例の対象にはなりません。それぞれから750万円ずつで合計1,500万円であれば特例が適用できます。

 

でも、特例を適用せずに教育資金出してませんか?

実は特例を適用せずに、贈与税の対象にならず教育資金を渡すことはできます。

国税庁ホームページでも
「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」
は、贈与税がかからない財産として明記してあります。

参考:国税庁「No.4405 贈与税がかからない場合」

高校や大学の入学金など祖父母や両親に負担してもらった記憶のある方は多いでしょう。

それは上記の贈与税がかからない財産に当てはまるのです。

これを、当てはめるための条件があり、
「生活費や教育費として必要な都度直接これらに充てるためのものに限られます。」
という、条件が加わります。

つまり、非課税となるのは必要なその都度贈与することが必要になります。

 

では、特例が設置された意味はあるのか

この特例は「一括で」贈与することで非課税になる制度です。

必要な都度、教育資金として渡さず、将来かかるであろう学費をまとめて渡したいと考えるならば、特例を適用したほうが節税対策となり、相続税の生前対策となります。

 

もし、贈与者が亡くなったらどうなる

贈与した教育資金が残っている間に贈与者が亡くなってしまった場合、使い切れなかった残額の取扱いはどうなるのでしょうか。

簡単に言うと、要件に該当した場合に相続税がかかります。要件は「いつ贈与したか」です。

 贈与した時期 相続財産への加算 相続税の2割加算
平成31年3月31日まで 加算なし 適用なし
平成31年月1日から
令和3年3月31日まで
死亡時期前3年以内の
贈与分に限り加算あり
適用なし
令和3年4月1日から 死亡時期に関わらず
加算あり
適用あり

上表を参考に、
平成31年3月31日までに贈与されたものは相続財産に加算もされず、2割加算も適用されません。

ただし、それ以降の贈与に関しては、期間が決まった加算に改正され、令和3年4月1日以降の贈与については、死亡時期に関わらず相続財産へ加算され、相続税の2割加算も対象となります。

 

例外的に加算されない条件がある

贈与者が亡くなった場合は、有無を言わさず相続財産となると思われるかもしれませんが、加算されない条件もあります。

それは、贈与者の死亡時の受贈者の状況です。
・23歳未満である
・学校などに在学している
・職業訓練給付金の支給対象となる職業訓練を受けている

こういった場合は、例えば贈与者が亡くなっても相続財産に加算もされませんし、2割加算も適用されません。

 

受贈者が亡くなったらどうなる

では、逆に受贈者が亡くなったとき残額があった場合はどうなるのでしょうか。

まず、受贈者が亡くなった時点で教育資金口座に係る契約が終了となります。

そして、使い切れなかった資金は受贈者の相続財産となり、贈与税の対象とはなりません。

 

まとめ

教育資金一括贈与の非課税措置について解説をしました。

今後、孫や子どものために教育資金の贈与を検討している方は、受贈者の年齢や状況、贈与者の資産状況などを考慮し、一括贈与が良いのか都度贈与することが良いのか検討する必要があるでしょう。

一括贈与は相続税の対策として効果を発揮しますが、専用の口座を解説したり、払出の都度領収書等の提出が必要だったりと、管理が大変とデメリットを感じるかもしれません。

さまざまな要因等をふまえ、どれが一番良い選択かよく考えましょう。

迷ったりした場合は相続税に詳しい専門家の力を借りてみてください。

 

 

 

 

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