賃貸物件(アパート)の相続税評価額について解説

公開日:2021-09-27

さいたま市浦和・大宮を中心に相続税のご相談を承っています。埼玉あんしん相続相談室です。

アパートなどの賃貸物件を所有している方が多くなっています。

相続税の対策のひとつとして活用しながら、家賃収入も得ることができます。

では、大切な財産ですから、価値がどのくらいになるのか気になる方もいらっしゃるでしょう。

相続が発生した場合に賃貸物件はどのように評価されるのでしょうか確認します。

アパートの相続税評価

不動産の相続税の評価は土地と建物を別々に評価します。

建物(アパート)を他人に貸した場合は、その建物は「貸家」と言い、そのアパートを建てた土地は「貸家建付地」と言います。

これをそれぞれ別々の算式で評価額を算出します。

貸家建付地は財産評価が自用地よりも低くなります。

貸家も後述しますが借地権割合を差し引けたりするので、相続税の課税財産が低くなります。

よって、相続税が少なくなるという結果になります。

 

建物の評価方法

では、まず建物(貸家)の評価について説明します。

貸家の評価は自用家屋とした場合の固定資産税評価額をもとに、計算します。

◆算式
固定資産税評価額✕(1-借家権割合✕賃貸割合)=評価額

固定資産税の評価額は自用家屋とした場合の評価額を参考にします。

また、借家権割合は一律30%と決まっています。

賃貸割合は次の計算式で求めます。
課税時期において賃貸されている各独立部分の床面積 ÷ その家屋の各独部分の床面積の合計

「各独立部分」とは、建物の構成部分である隔壁、扉、天井および床等によってほかの部分と完全に遮断されている部分で、独立した出入り口を有している部分を指します。

また、課税時期(亡くなった時点)に一時的に空室であった場合などでも賃貸されていたと認められる場合もありますので、状況をよく確認して評価額を算出しましょう。

 

土地の評価方法

次に土地(貸家建付地)の評価についてです。

◆算式
自用地としての価額✕(1-借地権割合✕借家権割合✕賃貸割合)=評価額

自用地としての価額とは、相続税路線価をもとに算出をします。

参考 ▶▶▶ 国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」

 

借地権割合は、路線価図にそれぞれアルファベット記号で割合が分かるよう記載があります。

90%~30%で借地権割合が決められています。

 

まとめ

土地を所有している場合、賃貸物件を建てると相続税がおさえられます。

ただし、その評価を算出するときは路線価図を参考にしたり、借地権割合を確認したり、賃貸の状況など気を付けなければいけないことがあります。

複雑な計算などは専門的な知識が必要となりますので、相続に強い税理士への相談をお勧めします。

また、相続が発生していなくても、相続税対策で賃貸物件の建設考えている場合、建設に費用が多くかかり、借入をすることもあるでしょう。その場合は、将来にわたって返済の必要もあわせて考える必要があります。

それが良い相続税対策であるのかという点についても相続に強い税理士へご相談をしてから決断をされても良いでしょう。

 

 

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